アルトリアグループの業績、株価、配当利回りの推移はどうなっているのだろうか?
世界最大のタバコの製造メーカーであるアルトリアグループについて2020年5月時点での銘柄分析となります。
現時点では、配当利回り9%、連続増配11年となかなか気になる数字の企業です。
目次
アルトリアグループの基本情報
企業名 | アルトリア・グループ |
ティッカー | MO |
セクター | 生活必需品 |
業種 | たばこ |
本社 | アメリカ |
売上高 | 250憶ドル |
従業員数 | 7,300人 |
連続増配年数 | 11年 |
アルトリアグループはタバコ製造の企業として有名ですが、食品分野においても売上高は世界最大の企業です。
元々はフィリップ・モリス・カンパニーズという社名でしたが、2003年に現在の社名へ変更となりました。
また、以下の企業を傘下に抱えています。
<グループの傘下企業>
・Philip Morris USA
・U.S. Smokeless Tobacco Co.
・Ste. Michelle Wine Estates
主なタバコ銘柄としては、マールボロ、ラーク、パーラメントなどを扱っており、愛煙家の方はお世話になっている企業ではないでしょうか。
株価と配当利回り

株価は2017年に70ドル台のピークを迎え、そこからは下落傾向にあります。
コロナショックで一時的に30ドルにまで達しましたが、現在は37ドルまで回復しています。
2017年と比べると半分近い株価になっています。
結果、配当利回りも9%にまで達しました。
とはいえ、ここ10年の配当利回りの平均は5%程度あり、元々かなりの高配当銘柄であります。
配当金と配当利回り

直近の2019年の配当金は3.28ドルとなっております。
2010年の1.46ドルから比べると、配当金の推移は右肩上がりとなっています。
配当金と配当性向

配当利回りがこんなに良いのであれば、配当性向が気になるところです。
2010年~2018年の配当性向は平均74%となっていますが、2019年は一気に348%まで跳ね上がっています。
次の売上の表にも出てきますが、2019年の純利益が激減しているにも関わらず、配当金は維持しているため、配当性向が急激に上がっているのです。
売上・営業利益・純利益

売上高も250億ドル近くをキープし、ここ10年は純利益も黒字でした。
しかし、2019年は120億ドルもの赤字となっています。
これは、電子タバコメーカーのJUULに対する巨額な出資が原因です。
128億ドルもの投資をしたにも関わらず、JUULの企業価値が暴落したため、その分の減損処理が影響しています。
また、営業利益率は徐々に上がっているように見えますが、売上高は頭打ちとなっており、今後の成長への期待はなかなか難しいように思えます。
自己資本比率

自己資本比率は徐々に下がっており、2019年は12.6%にまで下落しています。
これは前述のJUULへの出資に伴う借入金の増加が影響しています。
なかなか厳しい自己資本比率ですね・・
流動比率

ここ数年は、流動資産より流動負債の方が上回っています。
つまり、短期的に返済しなければいけない負債の方が大きいということです。
資金繰りについてもあまり良くない印象です。
キャッシュフロー

営業キャッシュフローは10年間で徐々に上がっています。
直近の営業CFマージンは直近は40%を超えており、キャッシュを稼ぐ力はかなり高いようです。
株価収益率(PER)

株価と利益の関係を表すPERですが、2010~2018年までは平均16倍程度を推移してきており、割高感はありません。
2020年に関しては純利益がマイナスであるため、グラフ上のPERもマイナスとなっており、参考にはなりません。
株価純資産倍率(PBR)

純資産と株価の関係を表すPBRについてです。
まず、BPS(=一株当たりの純資産)が低すぎます。
純資産に対して株価が高すぎるため、PBRがこんなにも高い数値になってしまっています。
株主資本利益率(ROE)

株主資本に対する利益の関係を表すROEについてです。
ROEはかなり高い数値を継続しており、資本ベースでみると効率良く稼ぐことができています。
まとめ
アルトリアグループへの所感
高配当企業であるアルトリアグループの業績を分析してきました。
営業利益率やキャッシュフローについてはものすごい数字です。
しかし、短期的な買収要因にせよ、直近の財務状況を比べると少し懸念が残ります。
またタバコ企業全体がそうですが、売上高は頭打ちで成長期待が持てません。
この辺のリスクを踏まえ、高配当を狙いにいくかどうかは判断が分かれるところです。
個人的には、JT(日本たばこ産業)の方が全体的なバランスでみると安定している印象です。

ちなみに、アルトリアグループについてはバフェット太郎さんの本にも黄金銘柄として出てきます。
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