確定拠出年金

税負担が軽減?確定拠出年金の節税効果を検証した【DC】

なちお

確定拠出年金の節税可能額を知りたい人
「確定拠出年金は節税効果があると聞くが、いったいいくら節税できるんだ?そもそもおなんで節税になるんだ??」

今回は確定拠出年金の節税メリットについて、数字を交えて解説していきます。

確定拠出年金についてざっくり概要を知りたいという方は、先に以下の記事をご参照下さい。

老後資産形成の強い味方!確定拠出年金とは?【全体像を詳しく解説】 金融庁の報告により、年金2,000万円問題が勃発したことは記憶に新しいでしょう。 「老後20~30年を生きるためには2,000万...

確定拠出年金の節税効果

確定拠出年金の節税効果を順番に解説していきます。

住民税と所得税が軽減される仕組み

まず最初に、住民税と所得税がどのように決まるかを説明します。

以下は給与所得者の税金の決まり方です。

総所得 - 給与所得控除 - 所得控除(基礎控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除など) = 課税所得

上記の「課税所得」に対して、所定の税率が掛かったものが所得税額と住民税額になります。

所得税率については以下の早見表の税率によって計算がされます。

所得税率早見表(平成27年分以降)
課税所得 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195~33万円以下 10% 97,500円
330~695万円以下 20% 427,500円
695~900万円以下 23% 636,000円
900~1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800~4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超え 45% 4,796,000円

仮に課税所得が400万円だとすると、税率23%が適用されます。

よって、所得税=400万円×23%-63.6万円=28.4万円となります。

住民税は約10%の税率と考えておけば良いでしょう。

なちお

所得税と住民税の計算方法が分かったぞい!

お分かり頂けたでしょうか?

確定拠出年金の加入者掛金は、給与所得者の税金の計算式における所得控除(小規模企業共済等掛金控除)に該当します。

所得から全額を差し引くことができるため、結果として課税所得が減り、所得税と住民税が軽減されることになるのです。

所得税と住民税はいくら軽減されるのか?

ろうきんのHPにて節税効果の簡易シミュレーションができますので、是非試してみて下さい。

実際に以下の条件でシミュレーションをしてみました。

・30歳の独身
・年収600万円
・加入者(マッチング拠出)掛金20,000円

  (A)マッチング拠出を行う場合 (B)マッチング拠出を行わない場合 差額
(B)-(A)
所得税 ¥183,500 ¥208,000 ¥24,500
住民税 ¥282,300 ¥306,300 ¥24,000
合計 ¥465,800 ¥514,300 ¥48,500

所得税と住民税を合わせて、年間で48,500円もの節税となりました。

なちお

30歳~60歳までの30年間で1,455,000円もの節税になるぞ!!

運用益も非課税になる

さらに言えば、確定拠出年金は運用益についても非課税となります。

以下の条件でシミュレーションしてみました。

加入者掛金 : 20,000円(年間480,000円)
想定利回り : 3%
運用機関  : 30年間
節税額   : 20%想定(株の売却の税率)

年数 1年目 10年目 20年目 30年目
元本 ¥480,000 ¥4,800,000 ¥9,600,000 ¥14,400,000
複利
(配当金再投資)
¥494,400 ¥5,667,742 ¥13,284,713 ¥23,521,286
利益 ¥14,400 ¥867,742 ¥3,684,713 ¥9,121,286
節税額(20%) ¥2,880 ¥173,548 ¥736,943 ¥1,824,257
なちお

そもそも複利効果がハンパない!利回り3%で30年間も運用すると900万円の利益にもなる!

株の売却利益に関しては、約20%程度の税金が掛かります。

よって、30年間で180万円もの節税となる想定です。

強制的に時間を味方につけることができる

確定拠出年金の最大のデメリットは、60歳まで引き出すことができない点です。

しかし、逆に言えば(強制的に)長期で運用することになるため、時間を味方につけることができるメリットもあります。

計算式を見ていただければ分かる通り、長期での複利運用は素晴らしい数字が期待できます。

もちろん変動型商品を選んだ場合は、損をするリスクもありますので、その点も踏まえてご検討頂ければと思います。

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