米国株に投資してみたい人
「米国株に興味があるけど、馴染みのない企業も多いな。どの分野から投資すれば良いんだろう。まずはどんな銘柄が良いんだろうか」
今回は米国株のセクターと主要銘柄を紹介していきます。
目次
米国株のセクター(業種)11種
まずはセクターの分類について紹介です。
米国株のセクターは全部で11種類に分類されます。
S&P500インデックスのセクターごとの比率も一緒に記載します。
No. | セクター | 英語表記 | 比率 |
1 | 情報技術 | Information Technology | 24.4% |
2 | ヘルスケア | Health Care | 14.0% |
3 | 金融 | Financials | 12.1% |
4 | コミュニケーションサービス | Communication Services | 10.7% |
5 | 一般消費財 | Consumer Discretionary | 9.9% |
6 | 資本財 | Industrials | 8.9% |
7 | 生活必需品 | Consumer Staples | 7.2% |
8 | エネルギー | Energy | 3.6% |
9 | 公益 | Utilities | 3.5% |
10 | 不動産 | Real Estate | 3.1% |
11 | 素材 | Materials | 2.5% |
情報技術が24.4%と全体の約4分の1を占めています。
米国株のセクター別の主要銘柄一覧
それぞれのセクター別の構成比上位3位を紹介していきます。
①:情報技術セクター
コンピュータ、ソフトウェア、インターネット、情報処理サービスなどの事業を展開する企業を集めたセクターです。
もうどんな企業があるか想像がつきますよね。
1.マイクロソフト(構成比:18.54%)
言わずと知れたソフトウェアカンパニー。
OSであるWindowsやOfficeなどのソフトウェアを開発・販売。
アップルと僅差であるが、時価総額は米国第1位(1兆2,500億ドル)
2.アップル(構成比:18.33%)
iPhone、Macbookなどを販売。インターネット関連製品、デジタル家庭電化製品、ソフトウェアの開発、販売をする世界最大の企業。マイクロソフトと僅差だが、時価総額は米国第2位(1兆1,955億ドル)
3.ビザ(構成比:4.48%)
情報セクター構成比で第三位のビザ。Visaは世界最大の決済ネットワーク。
個人、企業、金融機関などを結ぶ決済テクノロジーカンパニー。
②:ヘルスケアセクター
健康や医療に関わる機器・用品・サービスの開発、製造、販売を行う企業を集めたセクターです。
1.ジョンソン・エンド・ジョンソン(構成比:8.94%)
消費者向け製品、医療用医薬品、医療機器に至る幅広い製品を販売。一般に馴染みがあるのは、コンタクトレンズの「アキュビュー」など。時価総額は米国第7位(3,699億ドル)
2.ユナイテッドヘルス・グループ(構成比:6.12%)
米国医療保険最大手。世界中に医療保険、ヘルスケアサービスを提供。
世界の1億人以上にヘルスケアサービスを提供している。
3.メルク・アンド・カンパニー(構成比:5.08%)
世界的な製薬会社。ドイルの化学・医療メーカーのメルクのアメリカ事業が始まり。北米ではメルクと名乗っているが、日本ではMSDの名称でビジネスを行っている。
③:金融
銀行、保険、証券会社、不動産などの事業を行う企業を集めたセクターです。
1.JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(構成比:10.05%)
世界有数のグローバル総合金融サービスカンパニー。投資銀行、証券取引、資金決済、資産運用、プライベートバンキングなどの金融サービスを提供。時価総額は米国第10位(2,991億ドル)
2.バークシャー・ハサウェイ(構成比:8.55%)
投資の神様ウォーレン・バフェット氏がCEOを務める企業。もともと綿紡績事業であったものをウォーレン・バフェット氏が買収し、保険業を土台とした機関投資を行う。
3.バンク・オブ・アメリカ(構成比:6.46%)
通称は「バンカメ」。サブプライムショックでの巨額損失を計上したメリルリンチを買収し、アメリカ最大の民間金融機関となった。
④:コミュニケーションサービス
ネットワークを利用した通信サービスや広告などを提供する企業のセクターです。
1.フェイスブック(構成比:15.24%)
言わずと知れた世界最大のSNSを運用するIT企業。Facebookだけではなく、InstagramやMessengerなども提供。時価総額は米国第5位(4,205億ドル)
2.アルファベットC(構成比:11.61%)
アルファベット株式会社のクラスC株。
ティカーは「GOOG」。クラスC株の「GOOG」には議決権がない。時価総額は米国第6位(4,151億ドル)
3.アルファベットA(構成比:11.14%)
アルファベット株式会社のクラスA株。
ティッカーは「GOOGL」。クラスA株の「GOOGL」には議決権があるため、株主総会で議決権を持ちたいのであればクラスA株を購入すべき。時価総額は米国第8位(3,629億ドル)
4.AT&T(構成比:7.49%)
情報通信・メディアのコングロマリット。米最大手の電話会社を傘下に収める持株会社。アメリカの発明家であるグラハム・ベルが興したベル電話会社が前身。
⑤:一般消費財
消費者向けの小売、製造業、サービス業などの企業のセクターです。
1.アマゾン・ドット・コム(構成比:28.37%)
GAFAの一角であるアマゾン。一般消費財の中の3分の1の構成比を占める。時価総額は米国第3位(1兆796億ドル)
2.ザ・ホーム・デポ(構成比:8.25%)
住宅リフォーム、建設資材の小売チェーン。
アメリカ、カナダ、メキシコで2,000店舗以上を展開している。
3.マクドナルド(構成比:5.06%)
ハンバーガーを主力商品として、世界規模で展開するファーストフードチェーン。主力商品である「ビッグマック」は国際購買力平均価格の指標として、ビックマック指数が提唱されるほど。
⑥:資本財
鉄道、航空、宇宙、軍事、防衛などのサービス提供を事業とする企業のセクターです。
1.ユニオン・パシフィック(構成比:4.36%)
アメリカ最大規模の鉄道会社。アメリカの西部から中部を広くカバーする鉄道網をもつ。10年間連続増配をしており、配当利回り2.59%。
2.ハネウェル・インターナショナル(構成比:4.25%)
なかなか日本では馴染みのない企業ではあるが、世界中で13万人の従業員を抱える多国籍巨大企業。航空宇宙、産業向け制御テクノロジーなどを提供。
3.ロッキード・マーティン(構成比:3.82%)
航空機、宇宙船の開発製造会社。ステルス戦闘機であるF-22やF-35の開発・製造を行っていることで有名。
⑦:生活必需品
食料、飲料、たばこなどの製造・流通を事業とする企業のセクターです。
1.プロクター・アンド・ギャンブル(構成比:15.22%)
世界最大の一般消費財メーカー。日本ではアリエール、レノア、ファブリーズなどの商品を展開。時価総額は米国第12位(2,878億ドル)
2.ザ コカ・コーラ カンパニー(構成比:9.96%)
誰もが知る世界最大の飲料会社。57年間連続増配をしており、インカムゲイン投資家からも支持される。時価総額は米国第25位(2,017億ドル)
3.ペプシコ(構成比:9.23%)
世界第2位の食品会社。ペプシコーラで知られる。日本ではコカ・コーラより知名度はやや劣るが、時価総額は全米第30位(1,818億ドル)とザ コカ・コーラ カンパニーと大差はない。47年間連続増配をしている。
⑧:エネルギー
主に石油を中心としたエネルギー関連の販売、精製、輸送などを事業とする企業のセクターです。
1.エクソンモービル(構成比:25.37%)
スーパーメジャー最大手。世界200ヵ国で事業を展開。ダウ工業株30種平均の一角。エクソン社とモービル社の2社が合併したものであるが、元々はジョン・ロックフェラーが設立したスタンダード・オイル社の流れを汲む企業である。時価総額は米国第31位(1,813億ドル)
2.シェブロン(構成比:22.32%)
スーパーメジャーと呼ばれる6社のうちの一社である。スエクソンモービルにも劣らない構成比となっている。
3.コノコフィリップス(構成比:4.90%)
上位2社と比べると知名度も構成比も見劣りするが、スーパーメジャーの内の一社。
⑨:公益
電気、ガス、水道などのインフラを提供する企業のセクターです。
1.ネクステラエナジー(構成比:13.45%)
公益セクターともなるとあまり馴染みがないが、電力や天然ガス事業を保有し、再生可能エネルギーにおいては米国最大手。10年間連続増配をしており、配当利回り2.4%。
2.ドミニオンエナジー(構成比:6.80%)
電力供給と天然ガスの輸送、採取を事業とする企業。11年間連続増配をしており、配当利回り4.73%。
3.デューク・エナジー(構成比:6.78%)
米国公益企業としては最大規模の売り上げを有する。13年間連続増配をしており、配当利回り4.33%。
4.サザン・カンパニー(構成比:6.49%)
大手公益企業の一つ。2~3位の構成比がほぼ同じであるため、おまけで記載。18年間連続増配をしており、配当利回り4.26%。
⑩:不動産
不動産の販売や賃貸、管理の事業を行う企業のセクターです。
1.アメリカン・タワー・コーポレーション(構成比:9.94%)
電波塔や基地局など、無線通信インフラのリース事業を行う米国の不動産投資信託。
2.クラウンキャッスル・インターナショナル・コーポレーション(構成比:6.19%)
米国で4万塔以上の無線通信タワーを所有する米国の不動産投資信託。
3.プロロジス(構成比:6.11%)
物流施設を専門に開発、管理、運営をしている不動産会社。日本でも96棟、約646万平米の開発実績がある。
⑪:素材
化学、ガラス、紙、資材などの製造、販売の事業を行う企業のセクターです。
1.リンデグループ(構成比:14.12%)
産業用ガスの分野における世界最大手。
イギリスに本社を置くが、NYSEに上場。
2.エアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(構成比:6.68%)
産業用ガスの製造の大手企業。
37年間連続増配をしており、配当利回り2.48%。
3.エコラボ(構成比:6.14%)
食品向け洗浄ソリューション、エネルギー技術、ヘルスケアなど様々な事業を展開。34年間連続増配をしており、配当利回り1.08%。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
公益、不動産、素材のセクターあたりになると、あまり馴染みのない企業かと思いますが、各セクターと主要な企業をご理解いただけたかと思います。
また、米国企業は連続増配年数も配当利回りも素晴らしいですね。
皆さんのご参考になれば幸いです。